この社会実験は、国道139号富士宮市朝霧高原で、富士山の世界文化遺産にふさわしい風景を地域と利用者等が維持・管理していく地域の取組みです。

 

 静岡県富士宮市の朝霧高原を走る国道139号の山梨県境から富士宮市猪之頭入口交差点の間は、ススキ野原や酪農地帯が続く牧歌的な雰囲気であり、富士山の風景を安全に楽しむ絶好のエリアです。

 また、国道139号を含む富士山麓は、富士・箱根・伊豆国立公園内の自然公園法の特別地域にも指定されています。

 平成25年富士山の世界文化遺産の登録を受けて、日本のシンボル「富士山」の美しい風景や自然環境の保全が求められています。

 国道139号の自転車歩行者道路及び外側の法面等については、維持管理費が削減されるなか、安全上支障がない範囲の草刈等が十分に行き届かず、世界文化遺産・富士山にふさわしい十分な『美しい景観の維持=景観管理』が出来ていません。


 過疎・高齢化が進行する当地域では、コミュニティ活動において、住民1人ひとりへの負担が大きくなっており、広大な富士山麓における道路の景観管理を住民の無償によるボランティア活動だけに頼ることは限界となっています。


(1)ヒューマン・テクノロジーファンド実験

 1)住民等による地域力を活かした景観管理実験

  牧畜業、農林業などの地域力を活用して、住民等が継続的に草刈や清掃を行うための体制づくりを検証。

 2)道路利用者や来訪者による景観管理実験

  トレイルウォーカーやツアー客など(来訪者)による清掃活動への参加を検証。


(2)マネーファンド実験

1)道路空間を活用した資金開発

 道路空間を活用した施設(シーニックマルシェ)の出店による資金開発の仕組みを検証。

2)民間事業者とタイアップした資金開発

 インターネットによる活動支援「クラウドファンディング」や読み終えた本の寄附による(BOOK募金)資金開発の仕組みを検証

 また、旅行会社とタイアップして、道路利用者や来訪者による活動支援の仕組みを検証。